セラミック治療
審美治療の目的
審美治療では、歯の形や色などを美しく整える治療をします。
テレビや雑誌などでも「審美」という言葉を耳にしたり目にするようになりましたが、美容だけを目的として、短期間で歯を白くして、歯の形も歯並びもきれいになる、という認識しか持っていない方もいらっしゃいます。
審美治療は、あくまでも「治療」です。歯の「噛む」という機能が最優先です。今がとりあえずきれいになればいい、という考え方ではなく、10年後も20年後も50年後も、きちんと噛める歯であることが一番大切なのです。
一時的な見た目の美しさだけを求めると、歯の機能を失わせるような治療を行なってしまわないとも限りません。(それはもはや、「治療」ではありません。)
審美治療においても、歯の土台となる歯ぐきの健康が非常に大切ですし、むし歯にきれいな歯をかぶせただけでは、見た目はきれいになっても大きな問題が残されていることは分かっていただけると思います。
ですから当院では、単に歯を白くきれいにする治療ではなく、歯や歯ぐきを健康にして歯の機能を回復した上で、見た目も美しくして、心身ともに快適な生活を送っていただくことを、審美治療の目的としています。
セラミック治療
むし歯の治療をしたとき、昔はそこに金属を詰めるのが一般的でした。また、前歯に隙間があるときや欠けてしまったときの治療方法が、大掛かりなものになってしまうか、あるいはなにもしないで放っておくかのどちらかでした。
口をあけたときに銀歯が見えるのが恥ずかしい、笑顔を人に見せたくない、就職活動や面接、営業などででいい印象を与えたい、自分に自信をもちたいという方が増え、セラミックで歯を修復したいと希望される方が増えてきました。
セラミック治療の種類
歯の表面に薄いセラミックを貼り付ける方法
・先天的な問題で歯が変色していたり、歯の表面がでこぼこしている場合…薄いセラミックを貼り付けて、 見た目をきれいにします。
・事故などで歯の一部が欠けてしまった場合…セラミックを歯の形に整えて貼り付けます。
歯の一部分にセラミックを詰める方法
歯の一部分にセラミックを詰める方法
セラミックのメリット・デメリット
メリット
体に優しい素材です
セラミックは、生体親和性のある体に優しい素材です。
歯科素材は、かたすぎるとかみ合わせる歯が磨り減っていってしまいますし、やわらかすぎると、歯科素材自体が磨り減っていってしまいます。セラミックは歯に近いかたさなので、かみ合わせの歯を痛めません。
金属アレルギーの心配がありません
セラミックには金属が含まれませんので、金属アレルギーの患者さんにも安心な歯科材料です。
色や形を自由に調節できます
セラミックは、色や形を自由に調節することができます。あなたの歯の色に合う自然な色合いから、輝く真っ白い色まで、自由に選ぶことができます。また、丸みを帯びた女性らしい形や、きちんとしたイメージのシャープな形など、好みの形に仕上げて治療することができます。
自然な仕上がりです
セラミックの最大の特長は、歯に近い白さを再現できる、ということです。他の歯科材料は主に金属で、治療をしたところが誰の目にもすぐに分かってしまいました。セラミックは、天然の歯に最も近い色を再現できます。目に見える部分だけをセラミックで白くするのではなく、例えばオールセラミック治療の場合、裏側まで全てセラミックを用いるため、透過性という点でも、天然の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。
変色、黄ばみや、臭いの付着がありません
セラミックは、レジン(プラスティック)と違って、年月が経ってもほとんど色に変化がありません。レジンは、通常2年くらい経つと変色や黄ばみ、においの付着がおこりますが、セラミックは黄ばむこともなく、においがついてしまうこともありません。
歯ぐきが変色しません
金属のかぶせ物ををかぶせると、口の中で金属が腐食して色素が沈着し、歯ぐきや歯が黒ずんできてしまうことがよくあります。セラミックは腐食しませんので、歯ぐきや歯が黒くなってしまうことがありません。
長持ちします
セラミックは耐久性に優れていて、非常に高い強度をもった歯科材料です。そのため、欠けてしまったり、すり減ることがほとんどなく、長持ちします。
デメリット
保険が適用されません
保険が適用されませんので、他の歯科材料に比べて高価です。
かみ合わせの調節が必要な場合があります
1本の歯をセラミックに変えるだけでも、口全体のかみ合わせの調整を行う場合があります。せっかくセラミックの歯科材料を入れても、「噛む」ために歯が機能しないのでは意味がありませんので、ご理解ください。
ホワイトニング
ホワイトニングとは
専用の漂白剤を使用して、歯にしみ込んでいる色素を分解し、脱色することにより本来の歯の白さより、更に白くする処置のことです。髪に例えるなら
「ブリーチング」のようなものです。
歯を削ったり痛めることなく歯自体を白くする方法です。
歯の表面の汚れを落とした後、ホワイトニング剤を歯の表面に塗ります。これにハロゲンライトやレーザー、プラズマライトなどを当ててこのホワイトニング剤を活性化させ、歯の中にある色素を分解していきます。
ホワイトニングの効果は、個人差がかなりあります。生まれつき歯の色が濃い人は、ホワイトニングの効果が低くなりますし、ワインや紅茶などの、歯に色がつきやすい食べ物や飲み物を好む人、タバコを吸う人などは、ホワイトニングしても、また歯に色がついてしまいます。
あまり知られていないかもしれませんが、ホワイトニングにもメンテナンスが必要です。一度白くしても、食生活によってだんだんと歯に色がついてきてしまいます。一般に、ホワイトニングをしてから半年くらい経つと、だんだんと色がつき始めます。そのまま何もメンテナンスをしないと、2年くらいで元の色に戻ってしまいます。
メンテナンスには、歯科医院での歯のクリーニング(PMTC)があります。定期的にケアをして、白い歯を保ってください。
ホワイトニングのメリット・デメリット
ホワイトニングのメリット
1)歯を削ることなく施術可能。
2)色調や明度が時間や薬剤で調節可能。
3)短時間で、何度も施術可能。
4)セラミックの差し歯などに比べ経済的。
注意事項とデメリット
1)歯の詰め物、かぶせの色などは、基本的に白くなりません。そのため、ホワイトニング終了後、他の歯との色をあわすため、 やりかえる必要があるかもしれません。ホワイトニングと同時に審美治療を希望される場合は、ホワイトニングを先に行って、2週間以上あけて歯の色が落ち着くのを待ってから、審美治療を受けることをおすすめします。
2)ホワイトニング中、歯がしみることがあります。この場合、一時的にすみやかに中断してください。そして、一日おき、または一日の使用時間を短くします。痛みがある場合は痛み止め等処方いたしますので、お知らせください。
3)ホワイトニングの回数や期間には個人差があります。1回で希望する白さになる人もいれば、数回のホワイトニングが必要な方もいます。又必ず後戻りがあります。白い歯を維持したいのであればホワイトニングメインテナンス用歯みがき剤をお使いください。 また、定期的(3~6ヶ月に一度)にお口のクリーニングとタッチアップ(追加ホワイトニング)をお受けください。後戻りをできる限り防止していきましょう。
4)昔飲んだ薬などの化学的な原因でブルー系やグレー系に歯が変色している患者さんは、色が薄くなりにくい場合があります。
5)ホワイトニング期間中、色のつくもの、コーヒー、ワイン、喫煙はお控えください。
6)妊娠中、授乳中の方、又無カタラーゼ症の方はできません。
麻酔について
多くの患者さんは、「麻酔が痛い」「麻酔が嫌い」とおっしゃいます。
患者さんのために、当院では痛くない麻酔を目指しています。
麻酔を行ってからすぐに治療を始めてしまいますと、麻酔がきちんと効いていなくて痛みを感じてしまうことがあります。一度痛いと感じてしまうと、痛みに敏感になってしまって患者さんにとっても治療が辛くなってしまいます。当院では、ご本人に麻酔が効いたことを確認してから治療に入ります。
痛みの感じ方やその表現の仕方は、人によって様々です。
痛みの少ない治療にもいくつか方法があります。患者さんや治療内容ごとに、できるだけ痛くない治療を心がけています。また、患者さんとコミュニケーションをとり、できるだけリラックスして治療を受けていただけるように努力しています。
痛みが強い場合や炎症がはげしい場合は、麻酔が効きにくいなど、痛みの少ない治療の効果が薄くなってしまいます。歯がとても痛くなってしまってから歯科医院に行くような状況になると、その痛みを取り除くための治療自体も苦痛になってしまいます。
反対に、歯が痛くなる前に予防をしていれば、歯科医院で痛い思いをすることはまずありません。歯が痛くなる前に歯科医院で定期検診を受けて、快適な生活を送っていただきたいと思っています。