歯周病の内科的治療

歯周病(歯周内科)治療

顕微鏡とくすりによる歯周病の内科的治療

治療前後のお口の中の状態です。
正常な菌だけが残り、すっきり綺麗になりました。

スピロヘータ

トリコモナス

アメーバ

薬で治す新しい歯周病治療「歯周内科学」

薬で治す新しい歯周病治療「歯周内科学」

歯周病といえば昔からどの歯科医院でも、歯みがき指導と歯のまわりのお掃除が基本的な治療です。しかし、この基本的治療をしても、一生懸命歯みがきしても、なかなか歯肉の炎症が取れず、歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれ、歯周病で歯を失う方がいらっしゃいます。

ところが、簡単に薬で治す方法が見つかったのです。

原因である菌を特定し、薬でその菌を退治する事ができるようになったのです。この治療法は21世紀に入ってから行われている方法で、新しい「顕微鏡を使った歯周病の内科的治療」です。

歯周病とは

歯周病とは

歯槽膿漏(しそうのうろう)は、歯周病の症状の一つです。歯槽膿漏=(イコール)歯周病と捉えられることも多いようですが、厳密には歯周病は、細菌によって引き起こされる歯や歯ぐきの病気である「歯肉炎」と「歯周炎」の総称です。病名としては歯周病が正解です。

日本人の場合、歯肉炎は10~20代前半ですでに60%のかたがかかっているといわれ、50才代でおおよそ80%の人がかかっているといわれるほど、多くの方が悩んでいる歯の病気です。だれもがかかっている病気だからといって軽視していると最後には取り返しのつかないことになってしまう怖い病気です。

歯周病は予防できます。また、早期発見、早期治療がもっとも大切なキーポイントとなりますから、歯が痛くなくても、半年に一回は診察したほうがいいと言われています。(健康な歯と歯ぐきであれば、定期検診は痛くもなんともない、むしろリラックスできる癒しの場となるはずです。)

全身疾患との関係

全身疾患との関係

菌が全身疾患に大きく関与しているのが医科でも問題になってきています。
カビが肺に入れば肺炎になってしまいます。歯周病菌も、わずかでもお口の中で出血を起こすとそこから血管に菌が入ってしまい、心臓で炎症を起こすのです。歯周病の人が心臓病になる確率は2~3倍にあがります。ほかにも食道癌、糖尿病、早産、高血圧などにも関与しています。

歯周病の原因

歯周病の原因は、お口の中にいる細菌です。さらにその中で、歯周病菌と呼ばれる菌が歯周病の原因となっています。むし歯菌も歯周病菌も、歯垢(プラーク)と呼ばれるネバネバした細菌のかたまりの中にすんでいます。ネバネバしているので、いろんな細菌がくっつきやすくなっています。(とりもちみたいですね。)

さらにネバネバした歯垢が石灰化して硬くなると、歯石と呼ばれるようになります。この歯石の表面はザラザラしているので、そこにも歯垢がつきやすくなります。歯垢の段階なら歯ブラシでこすれば取れるのですが、歯石になってしまうと歯ブラシでは取れませんので、歯医者さんで除去するようになります。

歯周病にならないためには、口の中の細菌を減らせばいいわけで、むし歯と同じく、やはり歯ブラシできちんと歯を磨くのが有効なのですが、歯周病になるのにはこれ以外にもいくつか原因があると言われています。

歯周病の原因1…喫煙

タバコを吸うと、血管が収縮して血流が悪くなるので、歯周病が進みやすくなると言われています。

歯周病の原因1…喫煙

歯周病の原因2…糖尿病

体の抵抗力が低下するため、歯周病も悪化することがあると言われています。


歯周病の原因3…女性ホルモンの変化

思春期や妊娠したとき、あるいは更年期など、女性ホルモンが急激に変化するときに、ホルモンの影響で歯周病になりやすくなると言われています。

歯周病の原因3…女性ホルモンの変化

歯周病の原因4…ストレス

ストレスによる歯ぎしりや、ストレスによる体の抵抗力の低下などにより、歯周病になりやすくなると言われています。


歯周病の原因5…食生活の乱れ

柔らかいものや甘いものばかり食べていたり、ダラダラと飲食し続けていると、歯垢ができやすくなります。また、栄養が偏ると、体の抵抗力が低下して歯周病になりやすくなります。

歯周病の原因5…食生活の乱れ

歯周病の原因6…歯並びの悪さ

歯みがきをしても、毛先が行き届かないところにだけ歯垢がついたままになってしまうことがあります。


歯周病の原因7…口呼吸

口呼吸の弊害はいろいろなところで挙げられているようですが、口の中が乾燥するため、歯周病にもなりやすくなると言われています。

歯周病の原因7…口呼吸
こうしてみると、自分で気をつけられそうな項目がたくさんありますね。歯だけでなく全身の健康を守るためにも、自分自身の食生活や嗜好、癖などを見直して、正しい歯みがき生活をしましょう!

どうやって歯周病は進行するのでしょうか

どうやって歯周病は進行するのでしょうか2
どうやって歯周病は進行するのでしょうか1

カビが歯ぐきについて根を下ろし炎症を起こします。

症状:口臭・ネバネバ感

どうやって歯周病は進行するのでしょうか3

炎症によって歯ぐきが腫れ、歯と歯ぐきの間の溝が汚れやすくなり、カビがさらに奥で炎症をおこします。

症状:歯ぐきの赤み・時々出血する

どうやって歯周病は進行するのでしょうか4

歯と歯ぐきの間にポケットができています。ここに歯周病菌がたまり、炎症がひどくなり、骨が溶けていきます。

症状:歯ぐきの炎症・時々腫れる・赤みの悪化

どうやって歯周病は進行するのでしょうか5

歯周ポケットはさらに深くなり、よりたくさんの菌がたまっていきます。
症状:歯ぐきを押すと膿が出る

どうやって歯周病は進行するのでしょうか6

骨はさらに溶け歯周ポケットはさらに深くなり、さらに多くの菌がたまっていきます。

症状:口臭がさらに悪化・出血がひどい・歯が揺れる・噛むと痛い・膿が出る・歯ぐきがよく腫れる

どうやって歯周病は進行するのでしょうか7

最後には歯の周りに骨がなくなってしまい、グラグラになり、抜かないといけなくなります。

症状:歯が痛くて噛めない・歯が揺れて噛めない・歯ぐきがいつも腫れている

一般的な歯周病の治療法(保険内)

今なってしまっている歯周病は、正しい歯みがきや生活改善でその進行を止める、あるいは遅らせることができても、根本的には治癒しません。ひどい歯周病になってしまったら、歯医者さんで治療してもらう必要があります。当院では、歯周病の患者さんには以下のような治療を行ないます。

1)応急処置
応急処置が必要な場合には行ないます。歯肉が腫れている場合には、腫れている部分を切って膿を出すことがあります。

2)ブラッシング指導(プラーク・コントロール)
的確に歯垢を取り除くための、正しい歯みがきの仕方をお教えします。(ブラッシング指導と呼びます。)新しい歯ブラシをお渡ししますので、歯科衛生士と並んで一緒に歯みがきをします。

3)歯石除去(スケーリング)
歯垢が石灰化してかたまってしまった歯石は、プロが取り除くのが、一番安全です。むし歯や歯周病の温床となってしまうので、歯石があったらすみやかに取り除きましょう。

4)スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
目に見えない部分(歯ぐきと歯の境目=歯周ポケットの奥)に歯石がある場合は、局所麻酔をして歯石を除去します。歯垢や歯石によって汚くなった病気のセメント質も除去して、ツルツル・ピカピカに仕上げます。

5)歯周外科手術
歯石を除去したりしても歯周病が治りきらない場合は、歯周外科手術をします。歯肉を切って歯槽骨からはがし、こびりついて取れなかった歯石を除去してツルツル・ピカピカにします。

6)メンテナンス
歯周病は、歯医者さんでの治療が終わってからが大事です。せっかく取り戻した健康を維持しましょう。毎日の正しい歯みがきと規則正しい生活、定期検診が必要です。

こうして見ると、症状が軽いうちは時間もお金もかけずに治すことができますが、症状が重くなると時間もお金もだいぶかかってしまいます。時間もお金も大切ですが、他ならないあなた自身の大切な体のことですから、自分でできるお手入れは毎日自分でやって、数ヶ月に一度の定期検診でチェックしましょう!

当院で行う歯周内科治療とは

歯科会の新しい分野「歯周内科学」。これまでとまったく異なったあたらしい考え方。お薬で歯周病を治してしまう治療の総称です。
歯科会における2大疾患といえば、「むし歯」と「歯周病」。これは現在の歯科医療においては、感染症であるという結論になています。

では、なぜ感染症なのに治らないのでしょうか。
一般的な感染症といえば風邪です。風邪であれば医師の指示に従ってきちんと薬を飲めば、ほとんどの場合治ります。

では、歯周病も同じように治らないのでしょうか。
現在の歯周病治療は外科的な処置が主流です。しかし、それは歯科医師が特殊な技術を持ち、患者さんも歯みがきがうまくできるという厳しい条件下でないと、いい結果が生まれないのです。

どんな条件下においても同じ方法で、簡単に良い結果が生まれる方法はないものかと、多くの歯科医師が知恵を出し合った結果生まれたのが、薬で歯周病を治す歯周内科という治療法なのです。

歯周病の内科的治療の方法

この治療方法には4つの大きなポイントがあります。
歯周内科治療の治療方法

特に①は、非常に大きなポイントです。
お口の中に歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。

歯周病治療のための位差顕微鏡検査

歯周病治療のための位差顕微鏡検査

歯周病菌を観察するときには顕微鏡を使いますが、細菌は無色透明なので、普通の顕微鏡でははっきりと見ることができません。位相差顕微鏡は、無色透明な細菌のコントラスト(明暗)を強くして、はっきりと見えるように特殊な加工がされている顕微鏡です。当院では、この位相差顕微鏡を使って、歯周病菌をチェックします。

顕微鏡を使った歯周病の検査をするとき、患者さんのお口の中から、ほんの少しだけプラーク(歯垢)を採取して、それを顕微鏡で見ます。これまでの経験から、ほとんどの患者さんの口の中に、歯周病菌やカビ菌がいます。

歯周病は自覚症状がほとんどない病気なので、「まあ、放っておいても大丈夫だろう」という認識の患者さんが多いのですが、顕微鏡で患者さんに自分の歯周病菌の様子を見ていただいたとたんに、歯周病へのイメージや認識が変わられる方もいらっしゃいます。

顕微鏡で見ることで、現在の菌の状態を確認し、どういった治療法を行うのが適切かを判断することができます。また、治療を行なった後、どれくらい歯周病菌がいなくなったかを目で見て確認することができますので、効果が分かりやすいといった利点もあります。

いったいどんな菌がいるのでしょう

カンジダアルビカンス(カビ菌)

スピロヘータ

トリコモナス

アメーバ

歯周内科学治療手順

  • パントモの撮影
  • 細菌の観察 カンジタ菌(カビ菌) スピロヘーター(歯周病菌)の確認
細菌の観察 カンジタ菌(カビ菌) スピロヘーター(歯周病菌)の確認
重症な場合はトリコモナス、アメーバーのチェック
歯の量や動きの早いことを説明 正常細菌層を見てもらう
動画の保存(カンジタx1600、スピロヘーターなど一番多い部位3~5ヵ所)
歯周内科学治療手順
  • カビ菌や細菌が歯周病(簡単に図説)に及ぼす影響
*空中に浮遊しているカビが、歯肉に付き根を下ろす
*歯肉は炎症を起こし腫れてくる
*腫れるとポケットが深くなる→歯周病菌がポケットに入り込んでくる
*嫌気性菌である歯周病菌はより活発になり炎症を起こす
*周りの骨が溶かされる→歯がぐらぐらになる、かむと痛い、しみる、出血

全身に及ぼす影響の説明(破れた血管を通って全身に菌が回る、毎日飲んでる)
高血圧、糖尿、心内膜症、食道癌、胃癌、早産など
  • 細菌の感染経路の説明
歯周病菌菌は人からうつされる
回し飲み、回し食い、箸の使い回し、キス、くしゃみ
  • 自費治療での除菌方法の説明(治療を行わない場合はここまでで、あとは保険で)

*毎日2~3時間の歯ブラシをすれば細菌は減少するし、また手術をすれば良くなるときもあるが、薬を飲めば1週間~10日で95%除菌できる
*ゆくゆく保険診療が認められる可能性もあるが、現在保険がきかない
*その後の歯石取り(クリーニング)も保険がきかない
*むし歯の治療は従来通り保険がきく
*除菌の検査とお薬代として¥10,500税込
*1週間後のチェックと緑上歯石除去1回¥6,300税込
*1ヶ月後本格的に除石する1~2回¥6,300税込
歯肉が締まってからの方が痛みが少ないので
*大量に歯石がついているときは数回かかります
*その後約3ヶ月に1度のクリーニング、細菌の繁殖チェックに¥6,300税込

  • 歯周病の内科的治療チェックシートの書き込み
喫煙者には1週間の禁煙をお願いする
ワーファリン、胃薬、カルシウム拮抗剤は要チェック
  • 歯周病治療進行表の書き込み
歯周病治療進行表の書き込み
  • 口腔写真の撮影5枚(正面、側方×、咬合面×2)
  • ジスロマックの内服方法と、抗カビ剤での歯ブラシ方法の説明
ハリゾン1日3回、上顎1滴2分、洗浄、下顎1滴2分、洗浄、
何もつけず1分ブラシ、洗浄 の計5分
  • 定期健診の必要性(細菌の再感染のチェック)
  • 資料の配布
顕微鏡検査のすすめ
歯のプロフェッショナルケア
顕微鏡検査を受けられた方へ
抗カビ剤の使用法

▼当院院長が所属している国際歯周内科学研究会の公式ホームページ

1週間後の自覚症状の変化(患者さん100人アンケート)

自覚症状の強い方ほど、1週間後の変化を大きく実感します。
1週間後の自覚症状の変化(患者さん100人アンケート)
たった1週間で他にも・・・

噛んだときの痛み改善  79%
歯ぐきの腫れ改善    77%
改善改善改善      66%
歯のしみる感じ改善   65%
 などなど・・・

このような症状の改善が期待できます。

薬による歯周病治療終了後に注意すべきこと

薬による歯周病治療終了後に注意すべきこと

再発を予防するには

カビ菌は口腔内常在菌といって、お口の中に必ず住み着いている菌です。徹底的にやっつけても、空気中や食べ物、手の指などから再びお口の中に戻ってきます。絶滅させることは不可能なのです。

ですから、毎日の歯みがきと歯科医院における定期的なプロフェッショナルクリーニングが大切です。カビ菌が増えすぎると歯ぐきが腫れるなど、悪い影響が出てきます。また、カビ菌は歯周病菌の快適な住処にもなりますので歯周病菌が再感染しやすくなります。

定期的に歯科医院に通って、歯周病菌が再感染していないか、カビ菌が増えすぎていないか、顕微鏡で確認しカビ菌が増えすぎないように専用の器具でクリーニングを行う必要があります。

義歯

義歯を使っている方は、義歯にもかなりカビが付きます。義歯の清掃も非常に重要です。

むし歯

カビは歯周病にだけ関与しているわけではなく、お口の中で酸を出すことが分かってきています。周囲に歯があれば歯を溶かし、むし歯を作ってしまいます。

タバコ

使用する薬は、血中を白血球が運んでくれます。しかし、たばこを吸うと歯ぐきの血管が収縮し、白血球が減少し薬の効きが悪くなります。また、タバコは歯周病になりやすく、歯周病が治りにくいことがわかっています。

歯周病の予防方法

歯周病の予防方法

歯周病にならないために、あるいは歯周病をこれ以上進行させないために、何をしたらいいのでしょうか?
先ほど書きましたように、歯周病の原因は歯垢の中にいる細菌です。細菌が減れば歯周病になる可能性も低くなります。細菌を減らすには、歯垢を取り除くことが大切です。歯垢がなくなれば、歯周病だけではなく、むし歯になる可能性もグッと低くなります。(一石二鳥ですね)

歯垢を取り除く方法、それは正しい歯みがきをすることです。
「え。毎日歯みがきしてますけど…。」
とおっしゃる方も多いと思いますが、それでもむし歯や歯周病が減らないのはなぜだと思いますか?

それは、きちんと(正しく)歯をみがけていないからに他なりません。
歯をちゃんとみがこうと思うと、意外と神経を使います。 慣れの問題だと思いますが、鏡を見てじっくりゆっくりみがきながら、正しい歯みがきを体感してください。磨きあがった後の口の中は、清潔感いっぱいで本当に気持ちいいです。当院でもブラッシング指導をしていますので、ぜひ受けてみてください。

また、生活習慣を改善することも大切です。
先に書いた歯周病の原因となるものを一つずつ取り除いていってみてください。

細菌が原因だと分かっているのですから、その細菌(のかたまりである歯垢)を取り除くこと、そして、自分の体そのものを健康に保って、細菌に負けない状態にすることが大切です。
歯周病をきっかけに、あなた自身の生活や健康をぜひ見直してみてくださいね。

家庭内感染を予防するために

生まれたとき、人のお口の中に歯周病菌は存在しません。ではなぜ今お口の中にいるかというと、人からうつされているからです。いまも、家族の間でうつしあっているかもしれません。
家庭内感染を予防するために

回し飲みや回し食べ、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどが感染ルートとしてあげられます。菌が再びお口の中に入ってくると、お口の中で定着して歯周病を発症する可能性が出るのです。

特に危険なのは性感染です。せっかく歯周病を治してもパートナーからうつされたのでは意味がありません。パートナーの方と同時に治療なさることをおすすめします。