歯の本数で決まる!?食事の楽しみと健康の深い関係
こんにちは。院長の石川です。
春の味覚といえば、やっぱり「たけのこ」ですね。
さわやかな香りとシャキッとした食感が食欲をそそります。
こうした季節の味を楽しめるかどうかは、実は“歯の本数”が大きく関係しているんです。
◆歯が少なくなると、食べられるものが激減!
「歯の調子が悪くて、大好きな食べものを我慢している」
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
なかでも「歯の本数」は、食べられるものの幅を決める大きな要素です。
人の永久歯は全部で28本(親知らずを含めると32本)ありますが、20本以上あれば、たいていの食べ物は問題なく噛むことができます。
ところが、それより少なくなると、徐々に噛めないものが増えていきます。
たとえば肉やナッツ、たくあんなどの歯ごたえのある食品が難しくなり、歯が半分以下になると、やわらかいごはんやはんぺんさえも噛みにくくなることがあります。
さらに5本以下になると、バナナやうどんのようなごくやわらかい食べ物しか口にできなくなってしまうのです。
◆「しっかり噛める」は、満足感アップにも直結!
「食べたいものを自由に食べられる」ことは、単なる栄養摂取以上の意味があります。
高齢者を対象としたある調査では、歯の本数が多い人ほど「食事への満足度」が高く、「食べる楽しみ」を感じやすいという結果が出ています。
つまり、歯を保つことは、毎日の食事の楽しさや生活の充実度にもつながっているのです。
◆やわらかいものばかりでは、要介護のリスクも
「やわらかい物が食べられれば大丈夫」と思う方もいるかもしれませんが、それだけでは栄養が偏ってしまいます。
特に、肉や野菜を避けがちになるため、たんぱく質・ビタミン・食物繊維が不足し、筋力や免疫力の低下を招く恐れがあります。
ある調査では、歯が19本以下の高齢者は、20本以上ある人に比べて、要介護認定を受けるリスクが1.2倍も高くなるという結果が出ています。
自分の歯でしっかり噛めることは、健康的で自立した生活を送るためのカギなのです。
◆歯を守ることは、人生の喜びを守ること。
いくつになっても、自分の歯でおいしく食事ができることは、
健康的な毎日を支える大切な土台であり、人生の大きな喜びのひとつです。
「もっと歯を大切にしていればよかった」——
そんな後悔をしないためにも、
定期的に歯科を受診し、歯の健康を守る習慣を身につけましょう。